魚系男子の気まぐれ日記

子供な僕が日々大人になっていく様子をお届けしたりします。

「美女と野獣」を観ました。

 

 

 

 

この物語の本質は
『運命の人などいない』ということ、
そして、愛することの素晴らしさと
難しさだと僕は思う。

 

「人を外見で判断せず、中身を見よ」


というのがこの作品のテーマの一つだと
思うが、その他にも重要なテーマが
この作品にはあると感じた。

 

 

ベルと王子(野獣)は、
生まれた環境や育ちは違えど
お互いに幼き頃に母を亡くしている
という共通項が前提としてある。

そして、この二人の相違点としては
王子は威厳があり規律を重んじる
父親に育てられ、母親から愛される
という経験が浅かったこと、
一方でベルは慈悲を重んじる父親
無償の愛を注がれ育てられたということ。

母の愛は無償であり
父の愛は条件付きの愛である
というのはエーリッヒ・フロムの
「愛する技術」という本に書いてあるが
ここでは趣旨からズレるので割愛する。
非常に読む価値のある本なので
こちらも是非読んでもらいたい。

 

 

 


そして、もう一つ重要な点として
この二人は偶然にも恋に落ちたのではなく
お互いに愛を育んだ(もう少し厳密に
言うなら、ベルの愛に触れ王子が
愛することを学んだ)ことである。

 

 

 

 

一目惚れでもなく
何か共通点があったわけでもないが
お互いが相手のことを知ろうとし
理解しようとしたこと、
そして相手を思いやったことで
次第に惹かれあっていったことが
この物語の中での重要なテーマの一つである。

性別を越え種の違いを越え
心と心で結びついたこと、
必要だから愛するという順序でなく
愛しているから必要であるという
順序であったこと。
この二点が現代の恋愛において
欠けている点であり、
真にパートナーとして愛するということが
現代の恋愛にはあまり見られない点である。

将来を案じ、自分のレベルに合わせ妥協し
表面の性的な魅力や経済的な面でのみ
相手を判断する恋愛が現代は非常に多い。

お互いに自立しておらず
二人で一つ、相手なしでは考えられないなど
共依存の関係の上に成り立つ恋愛は
確実に幸せになれない関係といえる。
なぜなら、自分の空白を埋めるために
相手を利用しているのであり
自己の抑圧した感情を相手に投影することで
成立している恋愛だからである。
この段階から脱却しない限り、
すなわち幼稚な恋愛から脱却しない限り
良好なパートナー関係は築けない。
いずれどちらかの精神のバランスが崩れ
お互いに崩壊していくことが予想される。

 

 

 

そうならないためにも、
この物語からは学ぶ点が非常に多く
フィクションや夢物語としてでなく
愛するということのバイブルとして
機能すると思われる。
(というより、そういう側面が強いので
今もなお至極のラブストーリーとして
長く語り継がれている気がする。)

 

※話の内容自体は知れ渡っているので
特にネタバレを意識しなくていいのが
書く上で嬉しい限り。笑